ウクライナからの便り キーウ チェルノブイリ避難民が多く暮らすトロエシナ地区で空爆

子ども基金ウクライナ側パートナー、NGOチェルノブイリの子どもたちの生存」代表のザクレフスキーさんから届いたメールの一部を紹介します。

日本から支援を受けている子どもたちの状況に加え、キーウ(キエフ)の状況についても知らせてきました。

*********

電気、水道、暖房の供給停止というスケジュールにようやく慣れてきて、日本から支援を受けている子どもたちに関する情報収集を始めました。

・・・・・・・・・・

キーウの状況について少し書きます。

ここ1週間半、キーウでは数時間にわたるミサイルとドローンによる攻撃を受け、住宅が破壊され、死傷者が出ました。

先週、トロエシナ(市の左岸地区)の高層住宅の建物が被害を受けました。

ここは1986年以来、プリピャチから避難してきたチェルノブイリ原子力発電所の作業員の家族が住んでいる地区です。

チェルノブイリ事故発生後、数時間から数日中に亡くなった原発作業員の未亡人もここに住んでいます。

ナターリヤ・ホデムチュークさんのアパートは全焼しました。彼女は複数の怪我を負い、病院に運ばれました。彼女の夫、ヴァレーリー・ホデムチュークさんは、1986年4月26日夜、チェルノブイリ原子力発電所4号炉近くの職場で爆発により焼死し、チェルノブイリ事故の最初の犠牲者となった人です。

この建物で被害を受けた中には、2019年のテレビドラマ「チェルノブイリ」の登場人物の一人であるチェルノブイリ原子力発電所のエンジニアの部屋もありました。

追伸:このメールを書き終えようとしていたところ、停電予定の時刻ではないのに、突然電力供給が停止してしまいました。そのため、6時間遅れでメールを送信します。

(2025年11月18日)

*********

 

現地の報道によると、11月14日未明のロシア軍による大規模空襲で、キーウ市内東部のチェルノブイリ避難民が多く暮らすトロエシナ地区にある住宅がイラン製ドローン型爆撃機「シャヘド」による攻撃を受け、この建物に暮らしていた73歳のナターリヤ・ホデムチュークさんの住居が爆発、炎上しました。

ナターリヤさんは、全身の45パーセントに火傷負い、集中治療施設に緊急搬送されましたが、残念ながら15日に息を引きとり、先日葬儀が執り行われました。

ナターリヤさんの夫、ヴァレーリー・ホデムチュークさんは、1986年4月26日のチェルノブイリ原発事故当日、発電所4号炉での宿直勤務の際に爆発に直接巻き込まれ、その遺体は今も見つかっておらず、「石棺」とともに現場に封じ込められたままになっているとみられています。その祈念碑が、爆発した4号炉と隣の3号炉を隔てる壁に据えられています。

なお、ナターリヤさんは、来年の事故40年に向けたプロジェクトのため、11月末にかつて暮らしていたプリピャチを再訪し、撮影に参加する予定であったといいます。

心からのお悔やみを申し上げたいと思います。