ウクライナで人々が最も恐れていること 世論調査

12/12にこのブログで紹介したザポロジエ原発のニュースに関連して、
ウクライナ世論調査のニュースもご紹介します。
翻訳・コメントは平野進一郎さんです。

================================


2014年10月11日
ウクライナ国民、外国からの攻撃を最も恐れる一方、
チェルノブイリの被害については殆ど気にしていない
NEWSru.ua (ウクライナ)
http://rus.newsru.ua/ukraine/11oct2014/4ernobyl10.html
現在、ウクライナ国民が最も恐れていることの第1位は、
外国の敵がウクライナに攻撃を仕掛けてくること。
これは、ウクライナ科学アカデミー社会学研究所が2014年7月‐8月に、
クリミア自治共和国を除いたウクライナ全国の州で
1800人を対象にして行ったモニタリング調査の結果あきらかになったもの。
ZN.UAが伝えた。
社会学者たちの調査結果によると、
外国からの攻撃の脅威と答えた人は10%だったが、今年は62%となった。
2位は国家としてのウクライナの崩壊だった(同じく昨年14%に対して今年48%)。
第3位は、民族間紛争勃発の脅威で、
2013年にこの脅威を挙げた人は14%だったのに対して、2014年は34%だった。
さらに今年の調査でウクライナ国民が最も恐れている現実的脅威の第4位は、
大規模な市民騒乱で、
2013年の結果が19%だったのに対して、今年は33%だった。
一方で価格の上昇(インフレ)の脅威を挙げた人は大幅に減少し(80%から64%に)、
賃金の不払いも同様だった(75%から60%に)。
さらに失業に対する恐れも大幅に減少し(‐18%)、国内の犯罪の増加への恐れを挙げる人も減った。
また、結核エイズといった生命に危険な感染症への感染を挙げる人も大幅減となった(‐19%)。
その他、ウクライナの人々が、より脅威を感じるようになったものとして、
家で凍えることが昨年18%だったものが今年24%に増加し、
飢えが30%から34%に上昇した。
また同時に、停滞の時代の古い体制への回帰を恐れる人が5%上昇した他、
ほぼ5人に1人(18%)が、ウクライナに独裁体制が敷かれることへの懸念を根強く示している。
その一方で、最も心配する人が少なかったのが(10%)、
チェルノブイリ原発事故の被害の影響を挙げる人だった。
さらに目立つ点として、
何も心配がないという人の割合が3%減少したことが挙げられる。

ラズムコフ・センターの調査では、
ウクライナ国民の57%が、ドンバス(ウクライナ東部、ドネツク、ルガンスク両州の地域)での状況について、
ロシアとの戦争であるとの認識を示している。
これに関してウクライナ国民の半数近く(40.4%)が、
こうした状況が生じている上で第1に責任があるのは、
ロシアのウラジーミル・プーチン体制であると答えている。
また4分の1(24.2%)が、ヴィクトル・ヤヌコヴィチ前大統領とその取り巻きたちを挙げた。
一方、ウクライナの新政権に現在生じている状況に対する罪があると答えたのは、14.4%にとどまった。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

記事では、チェルノブイリへの関心が低下しているということが書かれていますが、
30年近く前の出来事で、
革命やら戦争やらが起きて国家崩壊の危機にあるような状況でも、
やはり10人に1人は、これを特別に心配な問題と捉えているというのは、
高い割合のような気もします。
これはウクライナ全国平均のものですので、
チェルノブイリの被害を直接的に受けた北部の地域に限れば、
この割合はずっと高くなるはずです。

今回のザポロジエ原発をめぐる騒ぎも、
多くの人が原発への不安を抱えている(たとえ1番切羽詰った心配ではないにしても)ことの表れでしょう。
難しいことですが、原発があることによる社会的不安による損失というものも
真剣に調べられてよいことのように思います。

30年後の日本で戦争が起きていたとして、
果たしてどれだけの人が福島第1原発事故を最も心配なことに挙げるかどうか、
かなり怪しい気がしています。
この調査を見ると、やはり本当に危機的な状況に社会が陥った時には、
多くの人にとってお金とか景気だとかいった話は2の次になるということでしょうか。
(生き死にが問題の時にそういうのは本当に重要なことではないということでしょう。)
日本も3年前は、全体としてそういう方向に向いていたような気がするのですが、
たかだか3年で何事もなかったかのように振る舞いだしているのをみると、
悲しいというより実に恐ろしい気分になります。