ウクライナの原発に関する現地ニュースです。
翻訳は平野進一郎さん。
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2014年12月5日
ForUm 通信(ウクライナ)
ザポリジャ(ザポロジエ)原発3号機、送電再開
http://for-ua.com/article/1074631
ウクライナ原子力規制監督局はサイト上で、ザポリジャ原発3号機が、
修理を終えて再稼働したことを明らかにした。
それによると、6kW自用電力変圧器の交換を伴う修繕作業が完了したことを受けて、
始動操作を行い、
2014年12月5日現地時間21時15分にザポリジャ(ザポロジエ)原発3号機は、
再稼働して送電を開始した。
原発敷地内及び隣接地域の放射線状況は、原発の正常運転時に相当するレベルにあり、バックグラウンドの自然放射線のレベルを超えていない。
ForUm通信がすでに伝えたように、同原発は11月28日19時24分に停止していた。
また同原発1号機では現在、中レベルの修繕作業が実施されており、
設備の更新が行われている。
2014年12月7日
ウクライナの原発、耐用年数を過ぎる
TV-Inter “Podrobnosti”(ウクライナ)
http://podrobnosti.ua/podrobnosti/2014/12/07/1006361.html ビデオ付
全ウクライナ環境連盟のテチヤナ・ティモチコ(タチヤナ・ティモチコ)会長は、
日曜日(7日)のニュース番組Podrobnosti Nedeliに出演し、
ウクライナの原発で使われているプラントは、
すでに30年以上修理されずに使われ続けている、と指摘した。
この中で同会長は、
「ウクライナの原発は、30年以上同じプラント設備で稼働し続けており、
耐用年数を過ぎている。我々はこの問題を早急に解決しなければならない」と述べた。
それによると、もしこうした原発を止めなければ、
今後ウクライナでチェルノブイリ級の事故が重ねて起きるだろうという。
「これらの原発は止められなければならない。
さもなければ、我々はチェルノブイリ原発での爆発と並ぶような事態に見舞われることになるだろう」
と同会長は強調している。
すでに報じたように、南ウクライナ原発では、
12月6日、定期修繕のため3号機が停止している。
一方、ザポリジヤ(ザポロジエ)原発では、
原子炉ブロックの1つが緊急停止後、再稼働している。
2014年12月7日
ザポリジャ(ザポロジエ)原発の事故は警鐘、と専門家ら
TV-Inter “Podrobnosti” (ウクライナ)
http://podrobnosti.ua/podrobnosti/2014/12/07/1006346.html ビデオ付
今週、ザポリジャ(ザポロジエ)原発や現地の状況についての話でもちきりとなった。
ソーシャルネットの中を覗けば、何やら恐ろしげな噂で溢れていた。
原発で事故とか、その規模が我々に隠されている、といった具合だ。
あるいは、ウクライナで第2のチェルノブイリが起きたが皆黙っている
という話もあった。
ドイツのタチヤナ・ログノヴァ特派員によれば、
ドイツではこのテーマの話題がトップを占めていたという。
ドイツの人々の論理に従えば、
首相の発言の同じフレーズの中で原発と事故という2つの単語が並んで使われれば、
それは少なくとも全欧州規模の非常事態を意味していることになる。
実際のところは何が起きたのか?
ナタリヤ・グリシチェンコ特派員が取材した。
今週、ザポリジャ(ザポロジエ)原発では6つある原子炉ブロックのうちの1つが停止した。
その少し後の閣議で、「原子力発電所で事故」との発言があった。
マスコミではパニックが持ち上がった。
皆がたちまちチェルノブイリを思い出した。
当の原発自体では、事故は何ら原子炉にかかわるものではない、放射能漏れはない、
とただただ繰り返す。
こうして、少なくとも1週間を通して外国のものも含めた、
上級の委員会のメンバーたちが、
ザポリジヤ(ザポロジエ)原発に詣でることになった。
ザポリジャ(ザポロジエ)原発主任運転制御員のイリヤ・ザハロフ氏は、
「ザポリジャ(ザポロジエ)原発3号機は電気防御システムの作動により送電を停止した。
この防御システムの作動は、計測変圧器の不具合によるものです。
原発内の放射線状況に変化はありません」と説明する。
ただ、原発側が何と説明しようとも、事故は、およそ考えられないような様々な噂で大きなものとなる。
そうした噂は、今回の事故の後、
一度に国内のいくつかの州内で大規模な停電が始まったことによっても、
さらに尾ひれがつけられている。
「朝の2、3時間、朝から停電でした。
今日は、今フルンゼンスキーから乗って出かけるところですが、
途中で薬局に寄ったところ、そこも灯りが消えていましたが、
やめておくことはしませんでした」と、
ドニプロペトロウシク(ドニェプロペトロフスク)市民のイヴァン・トゥリンさんは話す。
また同じくドニプロペトウシク(ドニェプロペトロフスク)市民のヴェーラ・ホダコフスカヤさんは、こう話す。
「ベッドの中にちょっと潜り込んで、ひっかぶって、灯りが点くのを待ちました。
うちは、鍋も電気で沸かすんですよ!家の中は冷えていますよ。
2、3時間、鍋が使えないなら、電池もちょっとは使えますけど。」
なぜ、1つの原子炉ブロックが停止しただけでいくつもの街中が停電することになったのか、
また本当に放射能漏れはなかったのか個人的に知るべく、
取材班はエネルゴダールの町に向かった。
この町は、ザポリジャ(ザポロジエ)原子力発電所のある場所だ。
ほぼ全ての住民が原発で働いている。
私たちは、町の人々におなじ質問をしてみた。
「本当のところ、発電所では何が起きたのですか?」と。
「町は完全に落ち着いていますよ!私たちをパニックにさせないで下さいよ。
放射能は大丈夫ですかって?ここでは全て正常ですよ!どうぞ伝えてください、
私たちのところは万事順調だって!」
エネルゴダールの女性は、このように答えた。
一方、環境の専門家たちは、今回の事故は警鐘であり、
原発のプラント設備の老朽化を物語るものだと指摘する。
「自動化システムはすでに古くなっています。
それらのシステムは負荷にすでに耐えられなくなっているのです。
なぜでしょうか?
原子力発電所がどのくらいの稼働年限を想定しているかご存じですか?30年ですよ!
ザポリジャ(ザポロジエ)原発1号機は、何年に稼働を開始したでしょうか?
1984年です。2号機は、1985年、3号機は1987年です。
これらの原子炉ブロックは、年限に達して、さらに稼働年限が延長されているのです。
延長するというのは何を意味するでしょうか?
それは、常にリスクを抱えているということです。」
このように語るのは、環境学監査・クリーンテクノロジーセンター代表で、
プリドニェプロ建設・建築アカデミー環境学講座長のグリゴーリー・シュマトコフ氏だ。
公式発表では、今回の事故はすでに解消済みだ。
しかし停電は、全国で続いている。電力省の緊急会議も同様に続いている。
放射線量の最大許容基準値は、毎時30マイクロレントゲンと定められているが、
様々な場所で計測した結果は、3から11マイクロレントゲンだった。
つまり私たちが計測した限りでは、基準を超える放射線量は観測されなかった。
このことは、ウクライナの人々も、西側のマスコミ関係者も、
とりあえずは安心して床に就くことが出来る材料にはなるだろう。
2014年12月9日
ヤツェニュク首相、エネルギー分野の改革について語る:
原発増設、価格値上げ等々
Ukrains’ka Pravda (ウクライナ)
http://www.pravda.com.ua/rus/news/2014/12/9/7046941/
ウクライナでは今後、
「ウクライナ幹線ガスパイプライン」と「ウクライナ地下ガス貯蔵施設」という新企業が創設され、
その出資分のうち49%分がEUや米国の投資者によって賄われる。
アルセーニー・ヤツェニュク首相は、閣議を始めるにあたり、このように述べた。
この中で首相は、
「そのため、政府はウクライナのガス輸送システムの更新と
ガス貯蔵施設の稼働に向けた投資者と募る公開入札を行うことを表明している」
と述べた。
また首相は、ウクライナは、
すでに議会によって批准された第3次エネルギー協定に沿った
エネルギー分野の改革を完全に遂行すると言明した。
それによると、ウクライナは2017年までに
自国のエネルギーシステムを欧州のシステムに統合させる意向。
「現在、ウクライナにある(欧州との)統合設備は、
いわゆるブルシュティン島(西部イヴァノ・フランキウシク/イワノ・フランコフスク州にある火力発電所などの施設の通称)だけだ。
ウクライナ全国が欧州のエネルギーシステムと統合されなければならない」
と首相は述べている。
さらに、首相によると、ウクライナ政府は
フメリニツキー原発の2基の原子炉を2018年までに完成させる決定を下している。
これに関連して首相は、2015年中には、
南ウクライナ原発、フメリニツキー原発、リヴネ(ロヴノ)原発からの送電量を大幅に増やしたいとし、
「全体でおよそ3000メガワットとなる」と述べた。
ウクライナは欧州復興開発銀行と共同で
既存の送電網への負荷を軽減するための新たな送電網の建設を見込んでいる。
また首相は、石炭の問題も含めたロシアへのエネルギー依存について触れ、
今後ウクライナは、それを世界全体から調達するとしている。
さらに核燃料について首相は、
ウクライナは米国のWestinghouse社から購入することになると指摘した。
ウクライナは現在、核燃料をロシアの核燃料要素企業から調達している。
一方、LNGターミナルの建設構想に関してヤツェニュク首相は、
そのためには、まず手始めにボスポラス海峡の通過権に関して
トルコ側と合意しなければならないと指摘している。
これについて首相は、トルコ側のパートナーたちと我々は
ウクライナのLNGタンカーのボスポラス海峡通過に関して
交渉を続けていると明らかにした。
さらに首相は、国民向けのエネルギー供給価格の市場価格レベルへの値上げについて
必ず実施されるべきものだとし、
それが出来なければ、(ウクライナの石油ガス公社である)「ナフトハズ」社の
巨額の赤字を克服することは不可能であると述べた。
また首相は、
「国全体が「ウクライナ・ナフトハズ」社1社のためだけに尽くしているようなことは、あり得ないことだ。
同社の今年の赤字額は、1100億フリヴナだった。
一方ウクライナの国家予算の赤字は、680億フリヴナだ」と述べた。
続けて首相は、
「まさにそれゆえ、我々は全てのエネルギー販売価格を
市場レベルにまで引き上げることになる。
その際、一時的に低所得者層全体に補助や助成を提供していく」と明らかにした。
国産の石油ガス採掘に関して首相は、
ウクライナは共同事業に関する汚職的協定の世界から
「古典的世界的原則に基づく」製品の分配に関する協定の世界に移行する、
と言明した。
これに関連して首相は、この分野への新規参加企業には、
税制上の特典が与えられると述べた。
また首相は、特に熱エネルギーの浪費をなくすため、
建設基準におけるものをはじめ、
エネルギー効率性を向上させるための一連の政策が
ウクライナでは導入されるだろうと指摘した。
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チェルノブイリ関連の外国メディアのレポートがありましたので、
ご参考までに添えておきます。
・「時が止まった町プリピャチ、チェルノブイリ事故から28年」CNN.co.jp 12月1日
http://www.cnn.co.jp/world/35057248.html
日本語
ビデオあり
無人機を使った空中からのプリピャチの眺めなどが見られます。
・「熊、1世紀ぶりにチェルノブイリに戻る」BBC News Russian 11月28日
http://www.bbc.co.uk/russian/science/2014/11/141128_brown_bears_chernobyl
ロシア語
チェルノブイリのゾーン内の低レベルから高レベルまでの放射能汚染地各地に
カメラを設置したりGPS発信機を使って、
汚染地域に住む野生動物の生態を調べる調査が行われている。
これまでに無人撮影のカメラによって、
事故で11万人以上が避難したこの地域では
100年以上前から見られなくなっていた野生のヒグマの姿が捉えられたとのこと。
写真あり