声明「ロシア軍のウクライナ侵攻、民衆の殺戮、そして原発への攻撃に抗議し、ロシア軍の即時撤退を求める」
ロシア軍のウクライナ侵攻により、既に子どもを含む2000名の市民が殺され、100万人以上の人々が他国へ避難しています。国籍や民族の隔てなく、すべての人々のいのちは尊いものであり、武力で奪うことは絶対許されません。私たちはいかなる理由があろうとも、ロシア軍のウクライナ侵攻に抗議し、即時停戦とロシア軍の撤退を強く求めます。
私たちは1991年から、チェルノブイリ原発事故により放射能被害にあった子どもたちとその家族の支援を行ってきました。当初、ロシア・ウクライナ・ベラルーシの病院に医薬品を運びました。被災に国境はありません。その後、被害が大きくしかも独立後の経済危機に襲われていたベラルーシとウクライナに支援の軸をおき、甲状腺手術後の子どもたちへの医薬品提供や保養の実施を支援し続けてきました。
チェルノブイリ事故から36年目の今、当時の子どもたちは結婚し親になりましたが、その子どもたちもまた健康を害している場合もあり、世代を超えて支援を行っています。
チェルノブイリ事故により、原発労働者の町プリピャチの5万を超える人々は故郷を捨てキエフに避難しました。近隣の村の人々も各地に離散しました。それから36年、ようやく新たな地に根付いた被災者の方々は今、再び家族の離散を強いられ、多くの女性や子どもたちが国外に避難しています。旧ソ連の原発事故の責任と被害を分かち持つロシアが、再び人々のいのちを脅かし、離散を強いていることを私たちは許すことはできません。
しかもロシアは侵攻早々チェルノブイリ原発を制圧しただけでなく、さらに3月4日稼働中のザポロジエ原発を攻撃し火災を発生させ、その後原発を占拠しました。原発への攻撃はロシアも批准しているジュネーブ条約に違反する行為です。現時点では原発からの放射性物質の放出はないとされていますが、今後戦闘が激化すれば原発への電力や冷却水の供給ができなくなりメルトダウンが起こるリスクも生じます。
福島原発事故で電源喪失によるメルトダウンの恐ろしさを身をもって経験した私たちは、ロシアが戦争遂行のために原発を危険にさらすあらゆる行為に強く反対します。それはウクライナの人々だけではなく隣接するロシアの人々、そして全ヨーロッパ、全世界の人々のいのちを危険にさらすものです。
私たちはロシアが一刻も早く停戦しウクライナから撤退することを求めます。ロシアの人々もウクライナの人々も、お互いに戦いたいと思う人はいないと思います。チェルノブイリ支援に関わる中で私たちはウクライナ、ベラルーシそしてロシアの「小さき人々の声」にふれてきました。彼らの中に相手への憎しみは微塵もなく、皆共に平和に生きたいと願っているのです。いのちに国境はありません。そして武力で平和を創ることはできません。
2月28日、ウクライナのチェルノブイリ原発そばのスラブチチ市に住む22歳のサビーナさんから訴えが届きました。彼女は脊髄と背骨の形成障害で何度も手術を繰り返し、チェルノブイリ子ども基金が支援している一人です。
「日本の友人のみなさん、そして世界のみなさん、ロシア軍がウクライナのチェルノブイリ原発を陥落させました。これはIAEAの協定に逸脱し、核の安全性を脅かすものです。戦争が止まるよう、ウクライナを助けてください!
私の名前はSabinaといいます。チェルノブイリ原発事故の犠牲者で、子どもの頃から障害を抱えています。
市民はロシアのウクライナ侵攻に苦しめられています。爆撃を避けてシェルターに隠れ、夜が明けるまで無事に過ごせるよう神に祈っています。私は目下、戦闘のまっただ中にあります。たくさんの人が死ぬのを目の当たりにしては、故郷の大地が犯されるのを見ては、こころが打ちのめされ、私自身も殺されていきます。また別の日には、ベラルーシ方面から軍用機が飛んでくる音を聞きました。怖くて、朝起きることができません。
みなさん、どうか私たちを支えてくださるようお願いします。ウクライナは支援を求めているということを伝えてください。この21世紀、プーチンとの闘いを終わらせなければいけません!どうかみなさん連帯を!」
さらに3月4日に次のメールが届きました。
「ザポリージャ原子力発電所が燃えています。 ロシアを止めなければ、また地球規模の大惨事になると思います。あまりにひどいです、狂った人々です、彼らはこれらの行動のリスクと結果を理解していません。私は言葉も出ません…」
私たちはこのような「小さき人々の声」をしっかり受け止め、戦争に反対する声をあげていきます。そして戦火の中で医薬品の確保さえおぼつかなくなっているチェルノブイリ被災者の支援に全力を尽くす決意です。
チェルノブイリ子ども基金
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